ソニーモバイルは8月30日(現地時間)、ドイツ・ベルリンの「IFA 2018」においてプレスカンファレンスを開催し、Xperiaシリーズの最新モデル「Xperia XZ3」を発表した。今秋以降、日本を含む国・地域で展開される。
「Xperia XZ3」
 今回発表された「Xperia XZ3」は、Xperiaシリーズ初の有機ELディスプレイを搭載する。同社が2016年から展開するフラッグシップモデル「Xperia XZ」シリーズの最新モデルで、今年2月の「MWC 2018」で発表され、5月から国内向けにも発売された「Xperia XZ2」の後継に位置付けられる。
 従来モデルのXperia XZ2から変更されたボディは、前面と背面のいずれもがCorning製3D Gorilla Glass 5による3D曲面ガラスが採用され、左右両端をわずかに湾曲させたデザインとなっている。
 側面の最薄部は約3.0mmのアルミフレームで構成され、手にフィットする形状に仕上げられている。ディスプレイが変更されたこともあり、ボディは全体的に縦方向に長くなり、サイズは158mm×73mm×9.9mm、重さが193gとなっている。
 従来モデルに引き続き、IP65/68の防水に対応する。カラーはブラック、ホワイトシルバー、フォレストグリーン、ボルドーレッドの4色がラインアップされる。
 背面中央にはカメラ部の下に指紋センサーがレイアウトされている。バッテリーは従来モデルよりも容量が約10%アップした3330mAhのものを搭載し、充電は本体下部のUSB Type-C端子に加えて、Qi規格によるワイヤレス充電にも対応する。
ブラック
ホワイトシルバー
フォレストグリーン
ボルドーレッド
ソニー「Xperia XZ3」(海外版)、約158mm(高さ)×73mm(幅)×9.9mm(厚さ)、約193g(重量)、ブラック(写真)、ホワイトシルバー、フォレストグリーン、ボルドーレッドをラインナップ
背面もガラス仕上げ。カメラと指紋センサーのレイアウトは従来モデルを継承
カラーバリエーションはブラック、ホワイトシルバー、フォレストグリーン、ボルドーレッドの4色。背面のみにカラーがあしらわれる
従来モデルに比べ、薄くなり、持ちやすい形状。縦横比18:9のディスプレイ搭載で、縦長ボディに仕上げられている
下部の外部接続端子はUSB Type-Cを採用。コネクタ部分の周りの処理が独特のデザイン
上部にはトレイ式のSIMカードスロットを備える
右側面にはカメラキーや電源キーを備える。ディスプレイの側面部分は湾曲している
有機ELディスプレイ
 ディスプレイは縦横比が18:9、6.0インチの有機ELディスプレイを採用し、2880×1440ドット、QHD+の表示が可能。従来のXperiaでは上下のベゼル部分がボディカラーと同色のデザインを採用してきたが、Xperia XZ3ではディスプレイが本体前面のほとんどを占め、ベゼル部分も黒く仕上げられているため、ディスプレイとボディがシームレスに仕上げられたデザインとなっている。これにより、映像コンテンツを視聴するとき、今までのXperiaシリーズにはなかった没入感を体験できるとしている。
 また、これまでのXperiaシリーズでも採用されてきた高精細技術の「X-reality for mobile」をはじめ、高色域を実現する「TRILUMINAS Display for mobile」、高コントラスト表示が可能な「Dynamic Contrast Enhancer」などの技術も搭載される。一般的に、有機ELディスプレイはバックライトが必要な液晶ディスプレイと違い、自発光で発色が良いとされているが、ソニーモバイルではさらに、ソニーの有機ELテレビ「BRAVIA OLED」で培われた映像技術を活かし、BRAVIA OLEDで視聴したときと遜色のない美しい映像を再現できるようにしている。
ソニーの家庭用テレビ「BRAVIA OLED」と比較しても遜色のない色合いで再生できるようにチューニングされている
ステレオスピーカー、振動システム
 サウンドについては本体前面にステレオスピーカーを搭載し、S-Forceサラウンドに対応するほか、映像や音楽、ゲームなどの音響に合わせ、本体を振動させるDynamic Vibration Systemも搭載される。
 本体には3.5mmステレオイヤホン端子が備えられていないが、充電時にも3.5mmステレオイヤホンが利用できるUSB Type-C 2-IN-1ケーブル(分岐ケーブル)がアクセサリーとして提供される。
ボディ側面でタップして操作
 ユーザーインターフェースについては、ディスプレイが縦長になり、上下に指が届きにくくなることを考慮し、本体側面にタッチして操作する「サイドセンス」という機能が搭載される。本体の両側面のディスプレイが湾曲している部分をダブルタップすると、その位置にアプリを8つ並べる形で表示する。
 一覧にはユーザーが次に使うアプリをAIが予測して表示され、時間や場所、使用頻度などの状況を独自に解析し、予測する。ユーザーが選んだアプリを固定して表示することも可能。アプリ以外に、通知を参照したり、片手でも操作しやすい「片手モード」に表示を切り替えることもできる。サイドセンスの他の操作としては、側面をスライドさせて、バックキーの操作をしたり、ダブルタップでカメラを起動することができる。
側面をダブルタップすると、AIが選んだアプリなどが表示される「サイドセンス」
「Always on display」
 Xperia XZ3では、有機ELディスプレイを採用したことで、待機時に画面にさまざまな情報を表示できる「Always on display」に対応した。
 Always on displayでは待機時に時刻や通知などを表示できるほか、「ステッカー」と呼ばれる機能により、aiboやスパイダーマンなどのキャラクターを表示したり、写真を再生したりできる。写真の再生は自宅ならアルバムアプリでランダムに表示したり、写真を撮影した直後は、最近撮影した写真を表示したりできる。さらに、以前訪れたことがある場所に再訪したときは、同じ場所で撮影した過去の写真を表示することも可能。
カメラ
 メインカメラはレーザーAFとRGBC-IRセンサーを組み合わせた1900万画素のイメージセンサーのMotion Eyeカメラが搭載される。カメラの起動は側面のカメラキーの押下、前述のサイドセンスによる側面のダブルタップに加え、本体を横向きの状態で構え、画面に表示された丸いエリアをタップして起動するスマートカメラ起動が利用できる。Motion Eyeカメラの撮影機能としては、従来モデルでサポートされた4K HDR動画撮影やフルHDでの960fpsスーパースローモーション撮影などが利用できる。
 カメラのユーザーインターフェイスは変更され、中央に写真とビデオの切り替えアイコンを配し、マニュアル撮影やスーパースローモーションなどの機能は[MODE]ボタンを押したときに表示される。
 フロントカメラは1300万画素のイメージセンサーに、従来モデルよりも明るいF1.9のレンズを組み合わせている。ポートレートセルフィーモードを搭載しており、被写体の人物の背景のぼけ、美肌、肌の明るさ、目の大きさ、輪郭補正などの機能も搭載されている。
 従来モデルでフロントカメラでの撮影にも対応した3Dクリエイターは、新たに撮影した顔をアニメーションさせ、表情を変化させる機能が追加された。
カメラのユーザーインターフェイスは変更され、[MODE]ボタンをタップすると、各撮影モードがアイコンつきで表示されるようになった。
本体を横向きに構えて持つと、カメラを起動するための画面が表示され、中央の円の部分をタップすると、カメラが起動する
 チップセットは米Qualcomm製のSnapdragon 845を採用し、メモリーとストレージは4GB RAMと64GB ROM(UFS)で構成される。メモリーカードは最大512GBのmicroSDXCメモリーカードに対応する。SIMカードはnanoSIMカードを採用し、グローバル向けではデュアルSIMモデルとシングルSIMモデルが用意される。プラットフォームは最新のAndroid 9 Pieがプリインストールされる。
【お詫びと訂正 2018/08/31 19:01】
 初出時、端末の高さを183mmと記載していましたが、正しくは158mmです。お詫びして訂正いたします。

関連リンク 🔗ソニーモバイル

https://www.sonymobile.co.jp/ 🔗ニュースリリース

https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201808/18-067/index.html

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投稿者 Genmaiblog

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