2月27日から開幕した世界最大のモバイル展示会「Mobile World Congress 2017」(MWC)の初日、ソニーモバイルは同社ブースにて、プレスイベントを催し、同日発表した最新のスマートフォン「Xperia XZ Premium」「Xperia XZs」、スマートプロダクトの「Xperia Touch」、コンセプトモデルの「Xperia Ear Open-style Concept」などを紹介した。
Xperia Earを進化させたコンセプトモデルを公開
 イベントには同社代表取締役 兼 CEOの十時裕樹氏が登壇し、まず、昨年、国内でも発売された“Xperiaプロダクト”のひとつ、「Xperia Ear」を紹介した。Xperia Earは一般的なBluetoothヘッドセットやイヤホンマイクと違い、ソニー独自のAIを組み合わせることで、音声による操作やメッセージの送信などを可能にしている。
プレスイベントに登壇したソニーモバイル代表取締役 兼 CEOの十時裕樹氏
Xperiaの枠を拡げるスマートプロダクトとして登場した「Xperia Ear」を紹介
 そして、このXperia Earを進化させたコンセプトモデルとして、新たに「Xperia Ear Open-style Concept」を公開した。Xperia Earが耳の穴に挿入するカナル型であるのに対し、Xperia Ear Open-style Conceptは耳の下の部分に引っかけるような構造で、耳栓ように耳の穴を塞がないオープンエアタイプ。両耳に装着するセパレート型のステレオイヤホンとなっている。そのため、装着時にも周囲の様子を聞くことができ、ランニングなど、屋外での活動時にも安全に利用できるとしている。
左右独立したステレオイヤホンのコンセプトモデル「Xperia Ear Open-style Concept」を紹介
展示スペースにはコンセプトモデルのXperia Open-style Conceptを展示
Xperia Open-style Conceptを耳に装着したところ。身体を動かしているとき、落ちるような印象はない
 次に、Xperiaの名を冠したスマートプロダクトとして、新たに発売が決まった「Xperia Touch」が紹介された。Androidプラットフォームで動作するデバイスで、本体に内蔵されたプロジェクターで壁やスクリーン、机などに映像を投影することができる。投影した画面をタッチすることで、画面内の操作も可能。データ通信を使い、遠くにいる家族とビデオチャットを楽しんだり、家族間のメモを残すようにするなど、さまざまな活用が期待される。
家庭内などで利用できるプロジェクター内蔵のXperia Touch。壁や机に画面を投影して、操作する
Xperiaシリーズ最高峰の「Xperia XZ Premium」
 そして、Xperiaシリーズの中心であるスマートフォンについては、カメラ、ディスプレイ、パフォーマンスという3つの項目について、強化を図った新製品を発表したという。
ソニーモバイルコミュニケーションズのExective Vice Predident, Global Sales and Marketingの古海英之氏が登壇して、スマートフォンのXperiaシリーズを解説
 まず、カメラについては、これまでのXperiaシリーズの流れを受け継ぎ、ソニー製のGレンズ、CMOSイメージセンサーのExmor RS for mobile、画像処理エンジンのBIONZ for mobileで構成しているが、今回発表されたプレミアムラインの「Xperia XZ Premium」「Xperia XZs」では、イメージセンサーに新開発の1900万画素メモリー積層型CMOSイメージセンサーを採用し、Gレンズも改良を加えた最新のものを組み合わせ、処理エンジンのBIONZ for mobileも最新のチューニングを加えることで、まったく新しいカメラモジュールとして構成されている。
Motion Eyeには世界初のメモリー積層型CMOSイメージセンサーを搭載
 ソニーモバイルではこの新しいカメラを「Motion EYE」と名付けている。カメラの画素数としては従来のXperia XZの2300万画素よりも低いが、画素ピッチが拡大したことで、暗いところでの撮影にも強くなっているという。
 この新たなカメラ「Motion EYE」では、新たな撮影機能を数多く利用できるが、メモリー積層型CMOSイメージセンサーの特徴を活かしたものとして、最大960fpsでの再生が可能な「スーパースローモーション撮影機能」が搭載されており、ブース内ではさまざまな動きのある被写体を用意することで、実際の撮影と再生を体験できるようにしている。
 撮影した映像は最大960fpsで再生する部分も含め、MP4形式で保存され、家族や友だちとやり取りをしたり、SNSなどで共有したりできる。再生環境もスマートフォンで一般的なMP4形式が再生できる環境であれば、問題なく楽しむことができるそうだ。さらに、Predictive Capture(先読みキャプチャ)と呼ばれる機能も搭載されており、動きのある被写体を撮影したときの決定的シーンをより簡単に撮影できるようにしている。
Xperia XZ Premiumを手にする古海氏
 ディスプレイについては、Xperia XZ Premiumが世界初の5.5インチ 4K HDRディスプレイ、Xperia XZsが5.2インチのフルHD対応のディスプレイをそれぞれ搭載する。4K対応ディスプレイとしては2015年11月に国内で発売されたXperia Z5 Premium以来の搭載で、当時のモデルでも好評だったクローム仕上げのボディカラーに加え、Deepblack Seaと呼ばれる光沢感のあるブラックもラインアップされる。4Kに対応した動画コンテンツはAmazon Primeビデオから提供され、ブース内でもAmazon Primeの再生デモが行われていた。
世界初の4K HDRディスプレイを搭載
 3つ目の進化点であるパフォーマンスについては、Xperia XZ Premiumがチップセットに米Qualcomm製の最新チップセットである「Snapdragon 835」、Xperia XZsが「Snapdragon 820」をそれぞれ搭載しており、モバイルデータ通信はXperia XZ Premiumが受信時最大1GbpsのCAT.16に対応、Xperia XZsがCat.11に対応する。
Xperia XZ Premiumに最新のSnapdragon 835を搭載するため、米QualcommのExective Vice PredidentのCristiano Amon氏が登壇
Xperia XZ Premiumは従来のハイレゾ音源対応のオーディオに加え、カメラ、ディスプレイ、ネットワークパフォーマンスを強化
Xperia XZ Premium
ボリュームゾーンを狙うXperia XA1/XA1 Ultra
 従来のXperia XZを大幅に進化させたプレミアムラインのXperia XZ Premium/XZsに対し、高いコストパフォーマンスで幅広いユーザー層を狙うのがXperia XA1/XA1 Ultraの2機種だ。
従来のXperia XAからチップセットなどを強化し、側面の処理なども変更したXperia XA1
従来のXperia XA Ultraに引き続き、「Ultra」の名を冠したXperia XA1 Ultraが登場。6インチのフルHD対応ディスプレイを搭載
 いずれのモデルも基本的なデザインコンセプトは従来のXperia Xシリーズのものを継承しているが、Xperia XA1はボディの背面と側面をシームレスにつながるような仕上げを取り入れ、チップセットなどをより高性能なものにすることで、従来のXperia XAよりも一段とコストパフォーマンスを高めるモデルとなる。
 もう一方のXperia XA1 Ultraは2013年に発売された「Xperia Z Ultra」(日本では2014年にauが発売)などから続く「Ultra」の名を冠したモデルで、6インチのフルHD対応ディスプレイを搭載する。チップセットはMediaTek製Helio P20を搭載し、カメラは昨年のXperia XZのものを継承するなど、コストパフォーマンスに優れたモデルとして仕上げられている。
展示の模様
展示スペースではXperia XZ Premiumはショーケースに入れられたままで、試すことはできなかった
5.2インチディスプレイを搭載したXperia XA1(左)と6インチディスプレイを搭載したXperia XA1 Ultra
Xperia XZsもショーケースで展示。Motion Eyeのデモでは使われていたので、こちらの方が開発が進んでいる印象
Xperia XZsを使い、Pridictive Capture(先読み撮影)で飛び出すオモチャを撮影。4枚のベストショットが選ばれ、これらの1枚、もしくはすべてを保存可能。シャッターチャンスを逃さない。
4K HDR対応コンテンツはAmazon Prime Videoから配信される
従来のXperia Z5 Premium(右)と並べて、ディスプレイを比較。従来に比べ、明暗がしっかりと表示され、全体的な印象はかなり良くなっている
Xperia XZを分解したパーツ構成。基本的な構成はXperia XZを継承するが、今回はGigabit LTE対応などのため、スピーカーなどにもアンテナを巻き付けているという

関連リンク ニュースリリース(2月27日) ソニーモバイル

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投稿者 Genmaiblog

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